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■Column 【 ブラックスーツ:その2 】

ブラックスーツについてのコラム第2回目となる今回は『 ビジネススーツとしてのブラックスーツ 』について考えてみます。
もちろん職場環境や仕事内容によってドレスコードは様々ですし
スーツを自己表現の手段として捉えるか、単なる仕事着と考えるかは人それぞれですので
ここではあくまで【 クラシックなビジネススーツ 】としての視点からブラックスーツについてお話してみたいと思います。
※ 日本では、【 クラシック 】=「 古典的 」・「 古風 」というイメージですが
ここでは、本来の【 classic 】=「 流行に左右されない 」・「 洗練された 」・「 一流の 」という意味で捉えて下さい。
まず『 ブラックスーツのコーディネート 』ですが、実際にお客様からも
「 黒はコーディネートがラクだから 」という声をよくお聞きします。
確かに「 黒色はどんな色とでも(無難に)合う 」とよく言われますが
言葉の裏を返せば「 どんな色とでも完全に調和することはない 」ということになります。
( ただし、白やグレーの無彩色は除きます。 )
これは、ビジネスシーンではとても着用できないようなモード服を除くと
ブラックスーツは白・黒・グレーの無彩色のみでコーディネートするフォーマルウェアでしか
存在しないという歴史からも証明されていると思います。

基本的に『 黒 』という色は、どんな有彩色よりも強い色で、他の色を吸収してしまいます。
例えば、黒色の絵の具に白やグレーを混ぜるとグレーになりますが、赤や青や黄を混ぜても
黒いままですよね?
少し極端ですが、簡単に図示してみました。ご覧頂くとお分かりいただけると思いますが
ブラックスーツにパステルカラーなどの淡い色のネクタイを合わせると、完全にネクタイが
スーツに負けてしまいますし
ダークカラーのネクタイは、一歩間違えると「 これからお葬式? 」と思われる恐れがあります。
ビビッドカラーのように主張が強い色のネクタイですと合わないことはないですが
よほど上手くコーディネートしないとお笑い芸人のようになってしまいます。
また、ブラックスーツ自体の生地の光沢感やデザイン・ディティール・着丈等のサイズも考慮して他のアイテムを組み合わせなければ
とたんに「 モードっぽい 」か「 冠婚葬祭っぽい 」のどちらかにバランスが偏った
コーディネートになってしまいます。

というわけで、かなりの上級者でない限りビジネスシーンでブラックスーツを着こなすのは難しく
お洒落とはなかなか言いがたい無難なコーディネートになってしまいがちです。
ちなみに、街中でブラックスーツにライトブラウンの靴を合わせている若い方を頻繁に見かけますが
元々黒と茶色の組み合わせは相性がよくないうえに、黒という最も重厚な色のスーツの足元に、
ダークブラウンならまだしも
明るいライトブラウンを持ってくると、全身のカラーコーディネートの重心バランスが崩れてしまい
足元だけが異常に軽く見え「 落ち着きの無い人物 」という印象を与えますので、
避けた方が無難です。

ブラックスーツとパステルカラーのネクタイの組み合わせ

ブラックスーツとダークカラーのネクタイの組み合わせ

ブラックスーツとビビッドカラーのネクタイの組み合わせ
参考までに、『 黒 』が持つイメージをざっと書き出してみました。
高級感・重量感・シャープ・モダン・神秘的・男性・暗闇・悪・死・恐怖・
不安・絶望・空虚・無個性・中立・アナーキズム(無政府主義)
ご覧の通り様々なイメージがありますが、この中の「 良いイメージ 」・「 悪いイメージ 」の
どちらになるかは着る方のコーディネート次第です。

結論としては
・コーディネートが非常に難しい。
・西洋の方相手の大切な商談では、まず使用できない。
以上の理由から「 ブラックスーツを重要なビジネスシーンで使用することは、お薦めし難い 」と言わざるをえません。

日本には、黒いビジネススーツをはじめ『 リクルートスーツ 』や『 略礼服 』など、
日本独特のスーツ文化がいくつかあります。
前回にもお話しましたが、これらは幼い頃からスーツに慣れ親しみ
着こなしの基本が備わっている西洋の人々と比べて
成人式や就職活動で初めてスーツを着るために、スーツを着慣れていない方が
大半を占める日本だからこそ定着してきたものです。

これまでにも時代の流れとともにスーツのディティールや形状は様々に変遷してきましたが
将来、ブラックスーツがこのままビジネススーツの一つとして定着するのか
それともバブル時代に大流行した『 緑 』や『 紫 』などのカラフルなスーツのように、一過性のトレンドとして
廃れていくのかは分かりません。
ただ、近年「 日本の若い女性の個性的なファッションが海外でも注目されている 」というニュースも時折耳にしますが
これも、ファッションに対する固定概念があまりない日本人だからこそ、
西洋の方には思いつかないような自由な発想で斬新な着こなしができるのだと思います。
だとすれば、スーツの基本にとらわれない日本男性が身に纏うブラックスーツや着こなしが
グローバルスタンダードになる日がもしかすると来るかもしれませんね。
これまでのスーツの歴史の中でも、発表された当時は斬新とされたスタイルやディティールが定着していくうちに
クラシックなスーツの範疇とされるようになった例はありますし
洒落物として有名なウィンザー公も、それまではタブーとされていた組み合わせを取り入れた数々の
コーディネートを着こなして
稀代のウェルドレッサーと呼ばれるようになったのですから。

ブラックスーツ + ライトブラウン靴

ブラックスーツ + ダークブラウン靴

ブラックスーツ + ブラック靴

<MORI>

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