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【 こだわりの新入社員スーツ 】 |
今回ご紹介するS様は、今春から某百貨店に入社された新社会人の方です。
S様は胸周りのサイズと比較して肩幅が広く、また強めの前肩体型のため既製品だと身体に合わず、オーダーに挑戦されることになったそうです。 |
( 以前から思っていたのですが、なぜかワールズビスポークでは
アパレル業界にお勤めのお客様が非常に多いんです。何故かは判りませんが、
同業他社の方からご贔屓いただいているのは非常に光栄です!! )
S様は百貨店に勤務が決まっているうえに、服飾に関する様々な資格取得に向けて勉強中とのことで、
入社前のこの時からすでに、スーツに対する強い興味とこだわりをお持ちでした。
そんなS様の目に留まったのが、『 エドウィンウッドハウス 』と『 マーティンソン 』の生地で、
両者とも『 フレスコ調のやや明るめのネイビー系 』でした。
前者は『 遠めには無地に見える、かすれたような繊細なストライプ 』、後者は『 無地 』でした。
お若い方の場合、光沢のある「 カノニコ 」や「 ゼニア 」を選ばれることが多いのですが、
オーダー慣れしている方が好みそうな、しっかりと織られていて仕立て映えのする
フレスコ調の生地に目を付けられたあたりからも、S様のこだわりを感じられます。
2枚とも魅力的な生地でしたので、どちらにするか非常に迷われたのですが、S様は最終的に、
前者の『 エドウィンウッドハウス 』を選ばれました。
次はベースモデル選びです。 |

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S様は当初、コンケーブした肩のラインが特徴の「 DUKE 」をご希望だったのですが
3種類のハウスモデルを着比べていただいたところ、「 DUKE 」だと肩巾の広さが強調されてしまうということで、残念ながら断念…。
( 私としても、このハリコシのある生地を活かすためにも、ぜひ「 DUKE 」でお作りいただきたいところでしたが…残念!! )
そこで、極薄の肩パットを採用し、着心地の軽さにこだわったナチュラルショルダータイプの『 New Legend 』をお選びいただきました。
S様が選ばれたデザインは下記のとおりです。
■ 上衣 : 2つボタン ・ ノッチドラペル ・ サイドベンツ ・ 背抜き仕様
■ 組下 : ノータック ・ 裾口シングル仕上げ
初めてのオーダースーツということで、基本的なデザインはベーシックに。
ただ腰ポケットだけは、生地がイギリス製ということで、英国調の『 スラントポケット 』にして遊び心を加えることに!
いよいよ採寸です。
S様のご要望は若々しく「 全体的にタイトに & 着丈短め & 股上浅め 」とのこと。
問題は、S様が気にしておられた『 肩巾 』と『 前肩 』です。
肩幅はジャストサイズにするか狭めにするかで悩まれましたが、
こちらも初めてのオーダーということで、ジャストサイズに決定!
( ここ数年は肩巾が狭くタイトなものが主流ですが、ご自分のジャストサイズを知っておくことも大切です!
特に、肩はスーツの着心地を左右する箇所ですから、サイズが合っていないと
着心地も悪く、疲れやすいスーツになってしまいます。
コーディネートにも言えることですが、基本をおさえた上でトレンドを取り入れていく方が、着こなしのテクニックが上達しやすいと思います。 )
最後に体系補正ですが、前肩体型の方は肩が前方に張り出しているため、そのままだと肩がスーツに当たって圧迫感を感じてしまいます。
そこで『 前肩補正 』を最大限に入れ、さらに肩パットを通常の位置よりも少し後ろにずらして付けます。
こうすることによって肩にかかる負担を軽減し、着心地が良くなります。
その他には『 肩甲骨補正 』( 最近のお若い方はスリムな体型の方が多いので、タイトフィットに作ると、背中の肩甲骨の箇所にシワが出てしまうことが
結構あります。 )と『 平尻補正 』を施しています。
で、出来上がったのが画像のスーツです。
『 トレンドを適度に取り入れたほど良いタイトフィットなのに、生地はクラシックな風合い 』というところが新鮮で、S様がお召しになると、
とても新入社員とは思えないこなれた雰囲気でとてもお似合いでした。
S様にも気に入っていただけたようで、お渡し日の翌日が入社式だったのですが
さっそく入社式に着て行かれるとのことでした。
S様ありがとうございました!
当面は毎日が勉強の日々が続くでしょうが、今回お作り頂いた『 こだわりスーツ 』をお召しになって、お仕事頑張ってください!!
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