情熱のリクルートスーツ
私にもそんな時があったなぁ。
それは電話の問い合わせで始まりました。
「スーツをオーダーしたいんですけど・・・・。」
お話を伺ってみれば、Y様は大学の3年生で、この秋からの就職活動に着用するスーツをオーダーしたいらしい。こりゃぁ、責任重大だぞ。
お約束された時間丁度に来店されたY様は、なかなかお洒落で、少年らしさを残したナイスガイでした。ワールズビスポークがオープンしてから一番若いお客様です。(ちなみにワールズビスポークのお客様の年代層ですが、主に30歳弱から40代前半です。ただし、私も含めて、気持ちはヤング?と言うお客様が大半です。)
話しは横道にそれちゃいましたが、そんな経緯で、ワールズビスポーク始まって以来のリクルートスーツに挑戦です。待てよ?我々のリクルートスーツって、だいたいが紺無地かグレー無地だったよな、案外簡単な注文かも?と思ったのは生地選びだけでした。(最初から紺無地に決めてこられました)
スタイルをコンケープラインに決められたかと思うと、Y様なにやら雑誌の切抜きをいっぱい出してこられました。おっと、かなり研究しているな。採寸を進めていくと、熱いリクエストの連発です。聞けば、大学ではファッション関係のサークルに入っているそうで、サイジングとオプションには強いこだわりをもっていました。
紹介しますと、サイジングは肩幅を狭め、袖丈はシャツの袖が1cm出る、ウエストがシェイプされてる、パンツの股上を浅く、足長に見えるように膝下はほぼストレートでモーニングカット、等々。(コンケープは別として、今トレンドとなっている、トム・ブラウンに代表されるトラッドなスペック、シルエットです)
オプションは、ジャケットの裏地をドット柄のワインカラー、黒の本水牛釦、本開きセッパ、袖釦の穴かがリもひとつだけ白を指定、お台場も型紙を作っておつけしました、内側のスッテッチを、目立つ白糸(裏地の赤とあわせておめでたい紅白のコーディネートです)、チケットポケット付き、そしてすべてのポケットの縁の補強をDカン止めといってなかなか手の込んだ仕様にされました。
かくして熱のこもったリクルートスーツ作りでしたが、私たちもお客様より頂く提案は、新たな服作りのヒントになりますのでガンガン仰って下さい。お客様のイメージを出来る限り忠実に、工場へ私達が翻訳をさせていただきます。
さて、楽しみなスーツの出来上がりですが、見事にY様のイメージどおりに仕立てられていました。残念ながら、袖の長さだけが若干イメージより短かったため、調整させていただきましたが、その他はバッチリ、だと思います。
Y様、たくさんのご提案、そして元気をいただいてありがとうございました
就職活動頑張ってください。陰ながら、ワールズビスポーク一同応援しております!