ウール素材のビビッドカラー!!

今回ご紹介させていただくのは、以前赤いパンツをつくってくださったK様です。自他共に認める派手好きのお客様で、K様も私共とは少しジャンルが異なるのですがアパレル関係のお仕事をされているんです。

 今回のご注文はジャケットでした。最初にリクエストを伺うと『派手なのがいいです』と即答いただきまして…。聞くまでもなかったですかね…。まずはジャケットの生地ブックをすべて見ていただくことに。今回は色的にはピンクやオレンジを考えられていたようでした。そしてK様はお色柄の他にもうひとつこだわりをお持ちでして、素材はウールじゃないとダメなんです。綿100%なんかはまず拒否されてしまいます。K様、ウールがお好きなんですね。ですが、ウールで原色のような色鮮やかなカラーはなかなかあるようでないんです。ピンクやオレンジとなるとなおさらです。
 K様がしょうがなくリネン素材の生地に決めようとしたとき、私は思い出しました。今まであまり出番に恵まれなかったために棚の奥に眠らされているド派手シリーズの生地ブックがあることを!その名も『王侯の装ひ』です。いやー、ワールズビスポークの懐の深さが垣間見えた瞬間でした。(←自分で言っちゃった!)早速、K様に見ていただくと『これは僕向きですよ』とのお言葉を頂きました。一番最初にお見せすればよかったですよね。すみませんK様、思い出すのが遅くて。。
 そして、K様がお選びになった生地はこちら!
(写真) 撮影した人間の技術不足か、ちょっと実物よりも暗めに写ってしまいましたが、なかなかウール100%でこのような色鮮やかなオレンジはそうたくさんはないはずです。(と勝手に思っている) その他、細かいディティールは、肩パットを薄くすること、ゴージラインをカーブさせること、あとは上着の内側のペンポケット幅を指定されました。K様、いつも香水を常備されているので(紳士のエチケットですね)、その容器に合わされたという理由です。そして、裏地は赤にされました。真っ赤です。さすがK様!きっとお似合いになられることでしょう。出来上がりが楽しみですね。

それではみなさま、また次回お会いしましょう。          <前川>