ワールズビスポークにいらっしゃるお客様は、総じて明るい方が多いんです。
今日、ご紹介するH様もすごく楽しくて、あったか〜い紳士でした。
あるファッションメーカーの社長さんに、ワールズビスポークを紹介されて来店されたH様は、コンピューター関係で世界的に有名なI社におつとめのグローバルビジネスマンです。仕事で結構、海外出張も多く激務をこなされておりますが、バスト108CM、ウエスト98CM、ヒップ103CMという堂々たるボディの持ち主です。まぁ、既製服ではなかなか合うサイズが見つからないでしょうね。
やはり明るく美人の奥様は、「デブ」なんてひどい事言ってますが、本当は仲がいいんです。
「店長、何とか細く見えるようなスーツ作ってくれないかしら?」と美人ママに頼まれれば、「出来ません。」なんて僕は、当然言えないですよねぇ。
「大丈夫ですよ!任せて下さい。」
と調子よく返事はしたものの、内心は、「結構、手ごわいよな。」と思ったりしてました。
H様あまりスーツファッションにはご興味がないようでしたが、生地ブランドの話をしていくうちに、ゼニヤというブランド名にビビッと反応するではありませんか。
そうだ!店のストックにH様に似合いそうなゼニヤのモヘア混で黒のシャドーストライプがあったっけ。
それを見てもらうと、即座に気に入ってもらえ、値段もWBスペシャルプライスだったので、2重の喜びようでした。
そして、ご本人たちを傍目に、僕にとってはこれからが緊張の一時、そうです、細くかっこよく見えるようにスタイル決めです。採寸の結果、クラシコ・スタンダードモデルで作る事にしました。
着易くかっこよくするために注意した点ですが、
1、 上着は、ウエストシェイプと袖をシェイプした分、腕を動きやすくするためカマ(アームホールの底辺)を浅くしました。
2、 パンツは、ノータックにして腰周りをすっきりさせ、はいてきたパンツの腿の後ろがダブついていたので、渡り幅(腿周り)と膝巾も狭くして足長に見える?シルエットをつくりました。
以上2点を主に念頭に入れて縫製指示を出して、出来上がったスーツが写真でH様が着用されているものです。
H様が試着されてるとき、僕は他のお客様を接客していたのですが、内心、気に
なってしょうがなかったんです。
結論から言うと・・・喜んでくれました。H様は勿論、奥様も!
僕ら何が嬉しいかっていうと、お客様が喜んでくれたこの瞬間が一番嬉しいんです。
時には、不出来でお客様を悲しませた事もありますが、そういう日は僕らも非常に落ち込みます。
今後も、この感動をまた味わうために、ガンバってこの仕事続けますよ!。
<TAMA>
