お客様の体型って、皆さん一人一人本当に違いますよね。大小短長、様々ですが、接客していてその事に気がついてしまうと(捜すわけなんですが)、何とかピッタリに作ってあげたいと思うのが、私たちオーダー屋の習性なんです。
そんな訳で、最近多かった補正をご紹介したいと思います。
どんな体型かと言いますと、姿勢のよい方やスポーツマンに多い体型なんですが、反身体といって、字のとうりですが、そっくり返っていたりハト胸系の体型なんです。
S様は、学生時代、ライフセーバーをやられてたそうで肩や胸が非常に発達しています。そのため、ラペルが浮いたり、袖の肩に当たる部分にシワが出来たりします。
その体型の癖を取るには、前身ごろと後身ごろのバランスを変えてあげる事でラペルが胸に落ち着いてきます。また、袖のシワは、服についてる袖よりS様の腕の位置が後ろなので、服の袖付けを後ろにしてやります。こういった点は、レディメイドはお客様が服に体型を合わせるわけですが、オーダーメイドの場合は、お客様の体型に合わせて作るのでよりフィット感を増せるわけです。
K様の場合は、後ろ衿の首の付け根あたりから肩先にかけて横シワが入ります。突きシワと呼んでますが、反身体や怒り肩・前肩の方に多い症状です。K様はご自分でもS字体型と仰ってるように、癖の強い体型をしてらっしゃいます。K様の修正ですが、かなり反身でしたので、肩の部分の前身ごろを長く取り、後ろ見ごろを削るような型紙を作ってから裁断、縫製へと進めていきました。出来上がったスーツを取りに来られたK様だったのですが、恥ずかしながら修正が甘く、まだ、突きシワが出た状態でした。
「K様、申し訳ありません。」という事で、再度お預かりして手直ししてお渡ししたわけなんですが、こういう時のお客様の持ち帰れない気落ちが、僕の胸にいつまでもグッサッと突き刺さるんです。
このように、出来上がったスーツ等を再度お預かりして、手直しする事が時々あるんですが、こうした経験をも前向きに活かさせて頂き、今後のオーダー業に反映させますので、ヨロシクお願い致します。
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