また、一つ勉強になりました!

今回は、パンツについての話です。

スーツというとほとんどの方が上着ばかりに気が向いてしまうのですが、実は、スーツスタイルはパンツのフォルムが非常に大事だと思います。ジャケットは、一日のうち何回か脱いだり着たりしますが、パンツは一日中はきっぱなしです(当たり前ですが)。ですから、着心地も当然、非常に大事です。

ワールズビスポークでは、フォルムと着心地を追求するために、現在は、6種類のパンツのサイズサンプルを用意しています。他のオーダーショップよりは多くのパンツパターンを持っていると思うのですが、お客様は、皆さん十人十色で、同じ体型の方は一人もいらっしゃいません(だから、私たちオーダー屋が存在するんですが・・・)。

今回のお客様、Y様は知人の方からワールズビスポークについて「何でもやってくれるよ!」と聞いて、来店されました。すごくセンスの良い方で、休みの日に着るジャケットとパンツをさがされてましたが、既製品では体にフィットするものがなかなか見つからず、今まで、レディースのパンツを購入されたりもしたそうです。

要望を伺ってみると、パンツの股上は20cmがよいと言う事でしたが、今まで注文を頂いた中で、1,2を競う股上の浅さでした。ワールズビスポークのサンプルでは股上23・5cmまでだったので、新たにパターンを作って対応しました。


そして、出来上がり。出来上がりのサイジングはピッタリだったのですが、Y様が試着すると小股の部分(写真)に妙なシワが出来て、残念ながら、美しくありませんでした(スミマシェン)。

「う〜ん、何でだろう?」こういうシワは、初めて見たので悩んでしまいましたが、その場は、一旦、預かる事にして、職人と相談しながら調整しましたが、やっと二度目であのシワが消えたのです。こういう場合、破れやサイズの増減と違い、仕上がりなのでY様ご自身が着用しないと直ったかどうか判断しにくい為、Y様に何度もご足労をお掛けした次第です。

原因は、股上の長さと前立て(ファスナ
ー部分)の長さ、それとカンヌキの位置の微妙なバランスでした。レディースと違って、メンズの場合、男性シンボルがあるので股上が浅い場合、癖取りやバランスを考えないと綺麗な小股にならないという事が判明、Y様にはお手数お掛けしたのですが、ワールズビスポーク、またひとつ「賢く」なりました。
                             <TAMA>