納得していただけるまで…No.1

今回のオーダー事例は、残念ながら一度のご来店で商品をお渡しする事が出来ませんでしたが、納得の出来る商品をお客様へ提供する事が出来ました例をご紹介します。

私(OHKAWA)がワールズビスポークにお世話になる前より、御ひいきにして頂いている大切なお客様S様。通常オーダーされる際には、素敵な奥様とめちゃくちゃ可愛い娘のNちゃんと3人でご来店頂いています。
S様は、今までに2種類のラインをお試し頂いていて、初めてのご来店では、OS(現在はCS)のイタリアンクラシコでオーダーされ、このところの数シーズンは、ワールズビスポークのオリジナルラインの中でも人気を2分するWO.6(バックシェイプライン)でオーダー頂いていました。
今回のオーダーは初期のラインに戻し、CS(イタリアンクラシコ)でのご依頼となりました。寸法は、ほぼ前寸通り。カマを浅くしウエストをちょっぴりお出しする感じでしたのでオーダーはスムーズに進行しました。生地は「レッソーナ」社製のフラノ素材。鮮やかな紺地に流れのある片柄ストライプ。この生地は、ワールズビスポークのHPの2009年1月8日更新のブログ「ネイビースリーピース」にてご紹介しています(このブログ掲載の商品は、お蔭様で売れました!)。
2つ釦のノッチドラペル。ホリゾンタルポケット使用の袖重ね4個釦。ベンツの深さを24cmに指定。前肩補正を強めに指示し極薄0.2cmの厚さの肩パットを使用する事になりました。スラックスは前回と同じ寸法でオーダーして頂く事になりました。今まで、S様はノータックの使用でしたが、スタッフの勧めもあり今回初めてワンタック(インタック)使用でのご依頼となりました。がしかし、この事が裏目に出てしまいました。

CS(イタリアンクラシコ)のラインには、インタック使用のパターンが工場に存在しなかったのです!それでも工場は何とか期待に応えようと試行錯誤で仕上げてくれました。

お受け取りにS様がご来店され試着されると、OHKAWA[S様いかがでしょうか?]気のせいかS様の返答が遅い気がしました。S様「何かタック間が狭い気がする…。」拝見すると確かに狭い。早急に左右の各タックを外側に1.5cm移動する指示でお直しに出しました。お直しが上がり次第、ご自宅へ商品をお送りする事になっていましたので送りました。
一安心。

数日後、S様がお送りしたスラックスをお持ちになり来店されると、ヒップがつっぱりタックが開いてしまうとのご指摘でした。スラックスをお預かりしましたが、原因を考える必要がありました。工場と密にコンタクトをとり原因が判明。タック位置は地の目にあわせて設定しパターン化します。アウトタック用に作成されたパターンのタック位置を横に移動するだけでは、地の目にあわず色々と支障が生じてしまうと言う事でした。

S様のスラックスは、新たにインタック用のパターンを作成し、作り替える事になってしまいました。スラックスはS様に無事お渡しする事が出来ました。S様には、商品がお渡し出来るまでに長い時間をいただく事になってしまい大変申し訳なく思っています。

その後、S様はその後の報告とご挨拶を伝えにわざわざご来店下さいました。感動でした!!!

S様いつもオーダー頂きまして誠にありがとうございます。
                              (OHKAWA)