今回のオーダー事例No1では、S様にワンインタックという新しいディテールの提案をして、反ってお時間と労力をお掛けした件を紹介しましたが、オーダー事例No2でも、一発でお渡しできずに、T様にも、お時間と労力をお掛けした話をあえて、自分たちの反省もふまえて紹介します。
T様には、新規で来店されてから毎シーズン、数着、スーツやシャツのオーダーを頂いておりました。40台には見えない、すごくスタイリッシュで、人柄も話も楽しい方なので、最初からスタッフ一同ファンになってしまったお客様です。
今回お創りいただいたのは、紺にマイクロヘリンボーンの織柄が入ったスキャバルの生地で、スタイルはいつもの「バックシェイプライン」を指定されました。生地は手触りがなめらかで、上品な光沢があり、紺色の発色もスキャバルならではの美しい色でした。ところが、いつもと違って、肩まわりの構造で「薄い肩」をリクエストいただきました。ワールズビスポークでは4種類の肩パッドを用意しておりお客様の要望に応えてまいりましたが、T様の場合、いつもの肩パッドで作るブリティッシュなバックシェイプラインと違って、肩のラインがシャープに出ず窪んだりしておりました。
早速、お預かりしたスーツを直営工場に送って連絡を取り、対応させて頂いたものの、2回目のフィッティングでも、正直、すこ〜し窪みが出ていました。T様は撫肩体型なので、後で思えば、型紙から補正をすべきだったのですが・・・(スミマセン)。
たぶん、T様は優しい方ですし、スーツも全体としては良しされてたので、肩については妥協されたのではないかと思います。
今回の反省として、特に薄めの肩の作りを要望されるお客様には、くれぐれも体型に留意しながら、パターンレベルから修正をすべきである、という点です。
ワールズビスポークでは、お客様からオーダー頂いた後、お渡しまでの約3週間の間に、多分、オーダーした時以上に膨らむであろう期待に応えることが出来る商品を作って、期待以上の満足を提供すべく努力する事を、改めて誓いました。
T様、今後も宜しくお願い致します。
<TAMAOKA>
