今回ご紹介するＳ様は、社内の別部署の上司のご紹介でご来店いただきました。

この４月からめでたく大学生になられ、入学式でお召しになられるとのことでしたが以前水球をやられていたそうで、胸と下半身の筋肉がすごく発達されており既製品では体に合わないとのことで、ご注文いただきました。
初めてのスーツということで、生地とデザインは全てスタッフにお任せでのご注文でした。ということで、冠婚葬祭から就職活動まで幅広く使いまわしができる一着というコンセプトでご提案させていただきました。
生地はチャコールグレーの無地。デザインは、『 クラシコイタリアンモデル 』をベースに現在のもっともベーシックな形で、尚且つ汎用性の高い２つボタンのサイドベントで。

ここまではスムーズに決まったのですが、問題は採寸です！
特に、胸の筋肉が発達していて立体的な形状をされているためメジャーで胸囲を測ろうとすると、メジャーが滑ってしまってなかなか正確な位置でピタっと止まらないため一苦労でした。
また、補正を入れないとジャケットの胸が開いてしまいますし、スラックスに関しても太モモが発達されているため、あまり裾巾を細くしてしまうとピエロが穿いているズボンのようなシルエットになってしまうのでワタリ〜ヒザ〜裾口のバランスも考慮しないといけません。

そこで、まずジャケットに『 鳩胸補正 』を行ない、胸の開きを押さえます。
さらに、ラペルの裏に『 ゴージカット 』を入れて、胸周りに立体感を出します。
残念ながら、お渡しの際に立ち会えなかったので写真での判断になってしまいますが上記の体型補正を施したことによって画像のように肩〜胸周り〜ウエスト〜腰周りにかけて体に吸い付くような美しい曲線を描くことができたと思います。
また、上記以外にも数箇所、体型補正と寸法の微調整を行なっています。（写真を見るかぎり、個人的にはいくつか反省点もありますが…。）

ただ、後日上記の上司から「とても着易くて喜んでいらっしゃった」とのお言葉をいただきましたので一安心です。

Ｓ様、ありがとうございました。
貴重な４年間ですので、ぜひ有意義で充実したキャンパスライフを楽しんでください！！
また数年後にリクルートスーツをご注文頂く際にはもっとかっこよく＆さらに着やすいスーツをご提供させていただきたいと思います！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《 MORI 》