適応型エドワーディアン
お客様の好みは十人十色。さまざまなタイプのお客様が存在します。例えば店に何度も足を運んで下さり、納得した上でオーダーされるお客様。突然のご来店に加え、第一声が「スーツをオーダーしたいのですが…。」そのままオーダーされるお客様。M様は後者のタイプのお客様でした。

M様は羨ましい位に逞しいバストとヒップに対して、ウエストが71cm。くびれのあるグッドボディーです。昨年の8月のご来店では、オリジナルラインの中から、コンケープラインをお選びになりました。が今回のオーダーでは、ラインを変える事になりました。今回のオーダーでお選びになったラインはエドワーディアンライン。肩を見比べると昨年お選びになったコンケープラインとは真逆に位置するラインです。

実際にコンケープラインには1.8cmの厚みの肩パットが仕様されていますが、エドワーディアンラインでは0.3cm。なんと1.5cmもの厚みの差があるのです。ライン選択の面でもお客様は十人十色。ひとつのラインを気に入って毎回同じラインでオーダーされるお客様。来店の度にラインを変更され違いを楽しまれるお客様。M様はライン選択の面でも後者のタイプのお客様でした。

エドワーディアンラインはオリジナルラインの中では比較的身幅に余裕のあるラインですが、M様のくびれたウエストには少々余裕が多過ぎてしまいます。M様にあわせて身幅を全体で3cmマイナス、打ち合いを全体で1cmマイナス。計4cm身幅をおつめすることになりました。4cmおつめするということは、身幅に限って言えば1サイズ小さくするのと同じことですので当然シルエット的にも変化が生じます。M様のくびれたウエストに対応するのですから仕方のないことですがエドワーディアンライン本来の規格からは少々離れてしまいます。

エドワーディアンラインの最大の特徴、それは衿です。オリジナルラインの中でも最もナローな衿がモード好きな若い年齢層の方々に指示されていますが、M様は衿巾を8cmに指定されました。本来の規格通りであれば衿巾は6cm。衿巾で2cmの差は、見た目にもはっきりと違いがわかります。

M様が昨年選ばれたスラックスは、膝下フレアーのデザインでした。今年はタイトな完全ストレート!!!これって前回のオーダーの全否定ではないですよね?いえ決してそうではないと信じ好奇心旺盛なM様の遊び心が結果に通じたのだと思い込むことに致します(笑)。


生地は「レッソーナ」の紺地に紫のストライプ。出来上がったスーツを見てM様「この生地にして良かった!」と言って下さいました。お客様の要望にお応えした結果、少々ニューライン誕生?といった感はありますが…。

M様にお似合いのスーツが出来上がったと思います!!!
M様これからもたくさんの要望お待ちしています。
M様ご来店誠にありがとうございました。
                           <OHKAWA>