【 初めてのオーダー 】
今回ご紹介するI様は、6/10のオーダー事例【 アイボリーのナットボタン 】の回にご登場いただいたI様と一緒にご来店されました。
(ややこしいので今回ご登場いただくI様を『 I・Y様 』、前回のI様を『 I・M様 』とさせていただきます。)
I・Y様はI・M様の会社の後輩ですが、昔スポーツをされていたため胸周りと太もも周りが発達されており、既製のスーツではなかなかサイズがピッタリ合わないということでI・M様のお勧めもあって、初めてのオーダーに挑戦されることになりました。
初めてのオーダーということもあり、生地もベースモデルも、サンプルゲージを色々ご試着されて、スタッフやI・M様と色々相談しながら慎重にお決めになられました。
そんなこんなでI・Y様がお選びになられた生地は、お手持ちのスーツとのバランスを考慮して『 ライトグレーのヘリンボーン 』(三洋毛織の撥水加工)。ベースモデルは、やや下がり肩気味のI・Y様によく似合う『
コンケーブ・ライン 』に決定!!
採寸と体型補正ですが、胸が発達されているので『 鳩胸補正 』に加え『 ゴージカット 』を入れ、胸周りに立体感を出してラペルが胸から浮かないようにします。
で、問題はスラックスです。
最近の雑誌を見ていると、『 通常のテーパードタイプの裾巾は20〜1cmが標準! 』と書かれている事が多いのですが、I・Y様の場合、極端に太ももが発達されているので、
太もも周り(ワタリ巾)のゆとりを最低限にしても、裾巾を20cmにしてしまうと、ピエロが穿いているズボンのような形状、もしくは20年ほど前に『
ボンタン 』(笑)と呼ばれていたようなシルエットになってしまいます。
そこで、裾口巾は最近の標準よりもやや広めの21.5cmに設定して、ワタリ〜ヒザ〜裾口までのバランスを調整しました。
出来上がったスーツをご試着されたI・Y様からは、「 やっぱりスーツはオーダーするものなんですね!! 」とのお言葉をいただきましたので、I・Y様にとっての、シルエットと穿き心地の両立ができたようで一安心です。
何よりも、オーダー初体験の方に、オーダーの楽しさをご理解いただけたことが嬉しかったです。
I・Y様、ありがとうございました。幸い、今回はご満足いただけましたが、オーダースーツの世界は奥深いです。
最初は満足していても、「 ここをもうちょっとこうすればよかった…。 」という発見や、好みの変化が次々と出てくることが多々あります。
実際、私もそうですしね(笑)。
そうして、若いうちに色々なスタイルに挑戦してみて、30〜40歳ぐらいまでに自分のスタイルを確立していけば、どんどんカッコ良く年齢を重ねることができますよ!!
(まだお若いI・Y様にこんなコトを言うのは失礼ですかね…?)
ぜひこれからも、オーダースーツの世界を楽しんでくださいね!!
《 MORI 》
