個性の違いがスーツの顔に出た!
6月のオーダー事例<アイボリーのナットボタン>で登場して頂きましたI様。2回目の登場です。今回の事例はもう一方、I様の大学の同級生N様にも登場して頂きます。

I様とN様、今回オーダー頂きましたスーツの使い道が同じで、共通の知人の結婚式に参加するための物でした。知人の結婚式に参加するためにスーツをオーダーするってお洒落だと思いませんか。ただ、この2人。お互いを意識しているように感じました!そんな2人の関係って、ちょっと羨ましい気がします。

来店されたのはI様の方が一足先でした。良い体型を維持されているI様は、採寸の必要がなく、前寸と同じ寸法でのご依頼でした。毎回選ばれているWO.6(バックシェイプライン)を今回も選定。そうなると、生地選びとデザインに全神経が集中します。オーダー慣れしているI様ですから、あらかじめ色等のイメージは想定済でした。フェア商品の中にイメージにあう生地があったため現物の生地より選ばれました。選ばれた生地は、とてもしっかりとしていて着心地の良さそうな「スキャバル」の紺無地に決まりました。本当に美色で絶妙な紺色でした。

フロント2つ釦のピークトラペル。衿巾を7pに指定され、フロント第一釦の位置を指定されました。以前よりクルミ釦仕様にしたいとおっしゃっていて、今回初めてチャレンジされることになりました。袖釦の数を少々遊び5個にされ、スリーピースでのオーダーでしたのでベストのクルミ釦をあわせると上衣だけで17個のクルミ釦が付く事になります。数が多くても決してくどくならないのが、共地を使用したクルミ釦の良さだと思います。

I様のご来店から数日後、N様がご来店になりました。N様は某百貨店にお勤めのため、お洒落で感度は高くこだわり派ですが、何事にもさらっと決断されます。例えば生地選びですが、N様も色等のイメージは決められてのご来店でした。チャコールグレーというご要望でしたので、フェア商品の中から1点取り置いていました。取り置いていた生地は、英国製最上級の生地「フィンテックス」のチャコールグレー無地でした。当店でも簡単にはお目にかかれない代物です。即答とまでは
いきませんでしたが、取り置いていた「フィンテックス」に決まりました。

最近、来店されるお客様に多い傾向の1つに、結婚式目的で使用され(オーダーされ)、その後は普段使いにしたいというご要望があります。今回のN様はまさにそうでした。フロント2つ釦のノッチトラペル。衿巾7.5p、フロント第一釦位置を指定されました。釦はオプションの水牛釦を選ばれました。衿のデザインといい釦の種類といい完全にかぶらない2人。スラックスの始末もシングルとダブルで逆でした。フォーマルは基本的にはシングルですが普段使いを考慮して…。

後日、お願いしていた2ショット写真がI様より送られてきました。写真からわかるように2人の距離感って一言では言い表せない気がします。
とてもきまってる2人ですが、お互いに主張が良い意味で反映されたのではないでしょうか。いつまでも粋な関係のままで…。写真とメールありがとうございました。
I様、N様ご来店誠にありがとうございました。
                             <OHKAWA>