【 大人のスーツ 】
今回ご紹介するM様は、当社が取り扱っているモダンブリティッシュブランドの『 TIMOTHY EVEREST 』(ティモシーエベレスト)が好きだったことが初来店のきっかけだったそうで、基本的にブリティッシュ系のスタイルがお好みの方です。
まずは生地選びですが、事前に下見に来られた時に店頭に並んでいた
『 ゼニア 』のチャコールグレー地にブルーのウィンドーペーンが入った生地が印象に残っておられたとのことでしたので、工場からその生地を取り寄せることになりました。
後日、入荷のご連絡を差し上げて再度ご来店いただいたのですが、その時に展開していたフェア商品の中から、イギリスの『 Hield 』(ヒールド)のSuper100’sを使用した、ソフトフランネルのチャコールグレー地にライトグレーのウィンドーペーンが入った生地がM様の目に留まり、その2点で迷われることになりました。
ちなみに『 ヒールド 』は、日本ではあまり知名度が高くないブランドですが、
150年以上の歴史がある名門ミル(生地メーカー)です。
2つの生地を色々と比較検討されているうちに、「 最近の若い方に多い、極端に着丈が短いような露骨にトレンド感が強いスーツではなく、大人が着るのに相応しいスーツにしたい! 」というお話になり、最終的にモノトーンで落ち着いた雰囲気が上品な印象の『 ヒールド 』の生地を選択されました。
ベースモデルは、これまでは構築的な肩の『 モダンブリティッシュ 』の型紙でご注文いただいていたのですが、「 今回はリラックスした雰囲気にしたい!
」とのご要望で『 エドワーディアンライン 』と『 アンコン仕立て 』の2つのモデルが候補に挙がりましたが、「 ビジネス用だから 」ということで肩パットが入っている(と言っても、厚さ3mmの薄めのものですが。)『
エドワーディアンライン 』に決定しました。ディティールは、英国好きのM様らしく『3つボタンの中一つ掛け』と『3つボタンの上二つ掛け』の両方が楽しめる『
3つボタンの兼用タイプ 』を選ばれました。
スラックスも前回はノータックだったのですが、今回は【 大人のスーツ 】というコンセプトに沿って、適度なゆとりがあり、プリーツがエレガントな印象を与える『 ワンタック 』に!
次は採寸です。全体的なシルエットは、ピタピタにならないように適度なゆとりを入れて、ご年齢に見合った風格を残しながらもウエストがくびれて見えるように全体のバランスを取りました。また、ここで一番気を遣ったのは問題の着丈です。お尻がキレイに隠れるギリギリの長さに調整しました。最後に体型補正ですが、M様は胸周りの筋肉が発達されているため、そのままではジャケットの胸周りが浮いたりしてしまうため『
反身補正 』を施し、さらに前身と後ろ身のバランスを調整しました。あと、追加で『 前肩補正 』も行なっています。で、出来上がったのが画像のスーツです!!…と言いたいところなのですが、M様・皆さん、大変申し訳ありません…。
実はおバカなことにPCの操作ミスで、お引取り時に撮らせていただいた写真を間違って消去してしまいました…本当にすみません…。
ということで、今回は生地の画像と文章でのご説明になってしまいますが、トレンド柄のウィンドーペーンでありながら、上品な色柄の生地とスーツの全体的なシルエットがあいまって、コンセプトどおりの【
大人のスーツ 】に仕上がっていたと思います。
M様にも「 大人のスーツっていう感じがしますね! 」&「 脚が長く見えますね! 」とおっしゃっていただき、ご満足いただけたようでした。
ちなみに、お引取りの際にM様がお召しになられていたシャツ・ネクタイ・靴と、ご試着いただいたスーツが全て白黒のモノトーンで統一されていて、
そのコーディネートのまま帰宅できそうなほど決まっていました!
特に靴は、最近さまざまな雑誌でプッシュされている『 モンクストラップ 』だったのですが、とてもキレイにお手入れされていて、足元に華やかさを添えていました。…つくづく画像でお見せできないのが残念です…(泣)
M様ありがとうございました!
ご試着後の靴談義では楽しいひと時を過ごさせていただきました。
次回ご来店の際は、ぜひまた靴のお話をいろいろと聞かせてください!!
《 MORI 》
