【 アスリートが着るスーツ 】
 S様が初めてご来店下さったのは昨年(2009年)の5月でした。ホームページをご覧になってスーツをオーダーしにご来店下さいました。
 S様「ホームページを見て来たのですが…。」S様は営業職のせいか話上手で初めてのご来店でしたが、その事をすっかり忘れオーダーと関係の無い話で盛り上がってしまいました。その内容はと言うと「マラソン」でした!
 最近、ブームになっていますよね。実際に私の身近な知り合いにも「マラソン」の魅力にとりつかれている人がいます。S様は年間を通じて何回もフルマラソンに参加し完走しているというアスリート!個人的な考えですが「マラソン」という競技は人間の限界を超えたスポーツだという認識があり、何度も「マラソン」に参加し完走していると聞いただけで尊敬していまいます!
 S様は今回のオーダーで3回目にして、着数としては4,5着目になりますが、ウエスト寸法がご来店される度に減少して行きます。アスリートの性なのでしょうか?短期間のご来店でウエスト寸法が減少している事実から過酷な練習をつんでいるのが想像できました。今回改めてウエストを測らせて頂くと前回のオーダーの時より2cm減少していました。ですが、前回のオーダーでも決して余裕たっぷりという状態ではなく、どちらかというとタイトな状態でしたので、今回2cm減少していても上衣のウエスト(OW)は前回同様で良いのではと思っていました。OHKAWA「S様ウエストが2cm細くなっていますが、その分おつめしておきますか?」S様「そうして下さい。」速答でした!ご自分にムチを打つためにという願いもあって…。
 S様は前回のご来店で「エルメネジルドゼニア」と「ロロピアーナ」イタリア製生地の最高峰を選ばれているため今回どのような生地をお選びになるかが楽しみでした。S様が生地を選ばれる時の基準は、色柄が重要なポイントになっていると感じました。現物の生地を肩にお掛けし納得した上で決定されます。
 S様が選ばれた生地は、やはり「エルメネジルドゼニア」の表面に少し起毛を施したマロンブラウンのストライプでした。とても暖かさの感じられる生地を選ばれたと思いました。
 前回と異なる点は、もう一点の生地の方でした。一見ヘリンボーンに見える生地ですが、部分的に別の織組織が入り織組織と交互にブルーの色糸を配した「DORCHESTER(ドーチェスター)」の濃紺ストライプを選ばれました。かなりしっかりとした打ち込みで織られ目付けも重く、これぞ『英国製』という生地でした!!!「ゼニア」の茶のストライプとの違いを楽しんで頂けると思います。
 「ドーチェスター」の生地で仕立てられたスーツは、勝負服???として着用されるということで衿を初めてピークトラペルにする事になりました。
出来上がってきた2着のスーツの重さの違いに驚きでした!!!

 重厚感のあるカッチリとした戦闘服いや勝負服が出来上がりました。寸法が目まぐるしく変化するS様ですから多少の心配はありますが…。

 S様ご来店誠にありがとうございました。
                              (OHKAWA)